| 02.親父と「出会い」 09月08日 16:35 |

- 塩豆腐

 出会いは素晴らしい。この豆腐にであったときは「ドキッ」とした。特に塩だけで食べる塩豆腐がおいしい。いつだったか友人がこの豆腐をおみやげに持ってきてくれた。俺は豆腐が大好きであちこち美味しい豆腐を捜していたがこんな豆腐にはついぞお目にかかれなかった。いままに食べた経験がないほど美味しかった。この豆腐を造っている人に会ってみたいと思った。

 豆腐をつくっている小原さんはIターンである。もともと高郷村とは縁もゆかりもなかった。田舎暮らしにあこがれてあちこち住む場所を探して歩いているうちに、喜多方から山都に抜ける、慶徳峠からの景色に魅了されここに住みたいと決めてしまった。

 最初山都に住んで生活するための様々なことをして模索が続いたそうだ。パン屋がいいか、そば屋がいいか、しかし豆腐屋はハードルが高いような気がして豆腐屋になるとは考えなかった。たまたま喜多方市の図書館で豆腐作りの本に出会い、試してみたら美味しかったので、これならやれると、修行や経験もないのに無謀にも豆腐屋を始めてしまった。

 いまこんな人がいい仕事をし、いま素晴らしいビジネスモデルを作り出す。近代化は標準化と安定化を要求し、常識が固定されていく。「こうなったら、こうする」という対処法も含めて、定型句ができあがり日常化される。しかしいずれは陳腐化し、お酒も食べ物も業界の常識を踏み外しているような人が、あるいは素人だと思われるようなやりかたがヒットをうみだしている。

おそらく豆腐業界の常識を知らないからこんな豆腐が生まれたんだろう。後でわかったことだが、このご夫婦、元は京大をでてコンピュター会社に勤めていた、エリートサラリーマンだったという。人生はさまざまだな~と考えてしまう。小原さんとお話をしていると自分の幸福論を明確にお持ちなのがよくわかる。

毎週この豆腐を買いに、週一か二回ぐらい小原さんの所へ豆腐を取りにゆく。辛い時もあるが、豆腐を待つお客さんの顔を思い浮かべながら豆腐街道をひた走る。


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