新緑の深まる頃、会津の里山にこのピンクの花を多く見るようになります。何故か会津の里人はこの花をあまり好んで持ち帰ろうとはしない。長い間その理由がわからないでいたが、言い伝えではこの花の枝を死者の弔う際、あの世への旅立ちの杖として使用するからだという。そのせいなのでしょう、美しい花なのに里人は、自分の庭にこの花を植えようとはしない。会津だけの伝承のようであるような気もするが謎は深まります。美しい花は人間の都合と、あまりにもあでやかな色彩が災いしたかのように、振り向かれることもなく美しく咲き、会津の里は夏を迎えます。