雪が溶けたばかりの雑木林は不思議な魅力に満ちている。
比較的木の葉のすくない、湿り気のある場所に春の日差しを体いっぱい浴びて蕗の薹が顔をだす。
その頃になると落ち葉に中にカタクリの葉も芽を出し始め、葉が日ごとに大きくなって来る、そんなある日、ヤマザクラの冬芽を求めて雑木林を散歩していたら落ち葉の蔭から一匹の蝶が舞い上がった。
寒いせいか舞い上がる姿がなんとなく頼りない、あれこんな寒い時期に蝶がいるかと驚いた。こんな寒い時期にしかも日当たりの悪い場所には雪がある、
その蝶がギフチョウと判ったのは最近のこと、アゲハチョウに似ているので、何で今頃いるのかしらと不思議な気がした。
調べてみたら、東北地方にいるのはギフチョウの仲間でもヒメギフチョウと呼ばれるものらしい。落ち葉の中に咲くカタクリの花の蜜を吸いに来ていたらしい。
そういえば以前にも見かけたことがあったのですが、当時あまり蝶には関心がなかったので、長い間見過ごしてしまっていた。
ギフチョウは、カタクリと共にこの時期見かける、カンアオイに卵をを産み幼虫はその葉を食べるといわれています。夏秋をさなぎで過ごし早春の頃に羽化するのは
驚きです。
ギフチョウは絶滅危惧種、理由はどうやら雑木林を人間が利用しなくなり 手入れをしなくなったかららしい。
植物は餌になるカンアオイが下草を刈らない場所では生き延びる事ができない。蝶と人間の不思議な関係に驚かされます。