おかみの花日記

雛祭り

| 2004-02-21 17:35:00 | トラックバック(0) |
今年の会津盆地は雪深い。城下の家庭では豆まきが終わり2月も半ばを過ぎるとお雛様を飾る。それぞれにおばあさまがお嫁に来たときの物とか、曾おばあさまの嫁入りの物とか、各家には自慢の雛人形がありいくつもの雛人形持つ家もある。友人の旧家にはどういう経路で入手したのかは不明だが、それはそれは立派な雛人形がある。さる名家から出た物とか、あるお武家の家の物だとか謎めいた伝説が付きまとっている。城下の旧家には立派なお雛様を所蔵する家がとても多い。時の流れの中で、幕末の悲劇を乗り越え、城下町の女性は雛人形を大切に守り、特別の思いを寄せて受けついできた。昨年まつに他界した母は、雛祭りの日には特別な料理をこしらえてもくれた。アサツキの酢味噌あえ、干し貝のお吸い物、散らし寿司など、それに手作りの甘酒も忘れることなく用意された。想いでのひとつひとつが涙の粒のように甦る。

白梅

| 2004-02-01 17:35:00 | トラックバック(0) |
鶴ヶ城の近く、湯川のほとりの静かな住宅地の今の家に十年ほど前に家を建て越してきた。そのときに将来庭にしてもいいと、南側を思い切り空き地にしておいた。今そこが私たちのささやかな家庭菜園になっている。菜園の隅に梅の鉢植えを植えて置いたら、瞬く間に大きくなり、見事な白梅を咲かせてくれるようになった。八重の紅梅もあったが、数年前に選定をしてもらったらかわいそうに枯れてしまった。私は梅の花の蕾が小さいときから、毎日窓辺に近づき咲くのを待つ。昨年は次つぎと大切な人を見送らねばならなかった。白梅の花を見る度に、古今集の紀友則の和歌が思い浮かぶ「君ならで 誰かにみせぬ梅の花 色も香りもしるひとぞしる」春になり、必ず咲いてくれるわが家の白梅を見つめていると、私も春風駘蕩のなかに、はかなさを見ていた友則の心が切ない程わかるようになってきた。