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| 01.親父の「ぼやき」 09月20日 16:31 | コメント 1 通 |

- 俺とパソコン(その一)

 俺はテレビでよくやるCMの、パソコン教室のあのガッツ石松の姿を見ると妙に共感してしまう。(俺にそっくりだという某酒造メーカーの専務がいたが・・)
あれは数年前になるだろうか。かっこよくキーボードを叩く友人の仕事ぶりを見ててすっかり落ち込んでしまった。俺は永遠にこんな場面がないで終わってしまうのだろうか、なんて思うとなんだか悲しくなった。当時パソコンを販売していた弟に相談した。
「俺もパソコン使ってみたいんだが・・」弟はしばらく考えてからこう答えてきた。「ん~無理だと思うよ、気持ちは分かるけどやめた方がいいんじゃない」それから中年親父はしばらく軽度の鬱病にかかってしまった(いつものこと)。落ち込んで夜中に酒を飲んでいたら何だか無性に頭にくるではないか、まてよ俺は馬鹿にされていたんだ。
「あの野郎・・いまにみてろ・・」コンビニ行ってまともにコピーも取れないような俺が、頭に来たってしょうがないじゃないか、と自分を慰めるのだが・・・。 でも俺の精神状態は自分のコントロールできる範疇を次第に越え始めていた。 こうなると何をしでかすのか判らないのが親父のすごいところ(自分で言うやつがあるか)。
この頭にくるという状態がいかに危険か自分でも知っている。どれだけの人が怪我をしたことか・・(生まれる時代が間違った)。それからの俺はものすごいスピードで猛烈に勉強し始めた。恥を忍んで周りの人皆先生そんな感じであった。
今でもわからないことばかり。しかし「わからなかったことが、わかっただけでも偉い進歩だ」などと、訳のわからないことを行って怪進撃をする。
気が付いたら人の前で恥も外聞もなくパソコンのことで講演しているではないか・・(わらうな!) みんなパソコン関係の会社の人と勘違いするらしく、焼鳥屋の親父だというと「ほんとかよ~」って顔してきょとんとしてる。
人生とはそんなもんだよ・・。何言っているんだろう俺・・。

| 02.親父と「出会い」 07月19日 16:30 | コメント 2 通 |

- 中年親父どうしのデート

 十数年前に美味しい地鶏と卵を生産している業者を探していた。居酒屋を始めるに辺り、何が入っているか解らないブロイラーの肉に我慢がならなかった。
友人に紹介されて栗城さんのおたくをお邪魔してから十数年が経つ。それ以来、籠太の焼き鳥に使用する鶏の生産を栗城さんにお願いしている。俺はこの人との出合いがこんなに人間的にも影響を受けるとは夢にも想わなかった。
あるとき俺は話の勢いで「栗城さん農業もやろうよ!」とそそのかした。それからとうとう栗城さんは無農薬有機栽培の農業もはじめてしまった。あの籠太の美味しい野菜は栗城さんの養鶏場から出る鶏糞と栗城さんの想いと愛情が生み出す賜物であることは言う迄もない。
今でも時々二人でレストランで食事をする機会がある。中年親父とおじいさんのデートだ!赤ワインを飲みながら仕事の話、畑の話、挙げ句は人生論まで語り始めると時間のたつのを忘れて話している。「もっと早く出会いたかったですね~」いつもそんな話をする。何時しかそんな交流は私達を環境運動に導くこととなる。
故郷の山が虎刈りにされ、次々と貴重な自然が壊されていくのが我慢ならなかった。あのバブル最盛期の頃、私達はリゾート開発による環境破壊に反対して、水道水源地に様々なリゾート施設やゴミの処分場などを規制する運動の中心にいた。気が付いた時はずいぶんと大きな運動になっていた。
私達が反対した場所には、その前後に大きなホテルやリゾート施設ができた。しかしその後は何年も経ずして倒産や廃業が続いている。中身のない巨大施設をいくら作ろうがそんなことで地域は良くならない。自分達の住んでいる地域の自然を愛し、祖先からの受け継いだ伝統や文化を感謝の心を持って大切にし、その中で創意工夫することにこそ本当の発展があるはずだ。
世の中は私達が予想した通りになり、時代が変った。当時私達を変わり者扱いした連中が私達に講演を依頼するようにまでなった。日本で初めてリゾート法の指定を受けた地域で、とんでもないような反対運動が起こり、今でも頭の中が護送船団の夢から覚めない連中との地域の幸せを巡る熱い戦いが続いている。いつか見てきたあのヨーロッパの田舎のように静かだが心豊かな人が住む会津を夢見て今日も焼き鳥を焼く。
「いらっしゃい!おいしいお酒と焼き鳥があるよ!」

| 02.親父と「出会い」 05月25日 15:30 | コメント 5 通 |

- 木賊温泉

 最近温泉が大好きになってきた。出かける用事があると必ず時間をつくり温泉を探し入る。温泉には様々な思い出もある。この話をすると友人は吹き出しげらげら笑い出してしまった。
昨年南会津の舘岩村にある、木賊温泉に行ったときのことだ。川原の露天風呂に降りてゆき気持ちよく温泉に入っていたまでではいい。その内外の脱衣所のあたりで女性の声がする。やばい!と思う気持ちとスケベ心半分で、小沢昭一ならぬ親父の心は複雑に揺れ動いたわけであります。先客に男性がいるとなれば入ってこないかもしれない、などとあらぬ想像をして期待が膨らみつつもじっとしていると、この30代後半~40代ぐらいの女性軍、はずかしがる様子も無く賑やかにどかどか闖入してきた。いやはや賑やかな事はいうまでもない。親父はすっかり小さくなり隅の方でお湯から上がるタイミングを見ていた。そのうちにこの女性軍団、私の顔を見ながらニヤニヤしている。あぶない!危機的状況と判断、するとそのうちのひとりが私の方に近づいてくるではないか。いけない!貞操の危機と思いきや突然こう言った。「親父さん、鼻血がでているよ・・」
いや恥ずかしいのなんのって、親切に女性軍団はちり紙まで持ってきてくれた。『私たちそんなに魅力的かしら』なんて冷やかされ旧知の仲のようになってしまった。尾瀬に向かう帰り予定を変更して籠太のお客になってくれたが、最後まで冷やかされていた。

| 02.親父と「出会い」 04月14日 18:59 | コメント 4 通 |

- 涙の出る話

 いつも来るお客さんの中に子連れでたまに来る人がいる。お父さんは会社の人達とよく来ていたがたまに子供3人がお父さんに連れられてきて、行儀よくお父さんの酒に付き合い帰ってゆく。
まだ3歳くらいの女の子に紙とペンを与えてみたら 女の子が人の絵を描き始めた。これだれ?と聞いたら「おかあさん」だと答える。
この子の絵が気になり捨てないでおいた。後でわかったことだがこの子の産まれる時にお母さんは亡くなってしまったのだそうだ。この子は見た事もないお母さんを一生懸命書いていたのかと思うと涙が出た。
友人が飲みに来てこの絵は何ですかと聞いたのでこの子のことを話したら酒を飲みながら涙も拭かずに泣いている。「ばかやろう!酒飲みながら泣くな」なんて言いながら自分も泣いている。この友人も妻とのことで悩んでいたようだがあれからどうしたのだろう。
毎晩この小さな居酒屋で様々なドラマが演じられ夜が更けてゆく。立ち入るわけでもないし、見たくなくても、様々な喜びや悲しみを見させてもらう。
深夜自宅に帰り一人で「晴耕雨読」という焼酎を飲みながら闇夜を見つめて人の幸せについて考える。そんな時間が多くなった。妻はもう寝ている。

| 02.親父と「出会い」 02月04日 17:29 | コメント 3 通 |

- いい物が分かる

 アスパラがでた。いい物がわかるというのはそれだけでとんでもない事だと思った。この前板前らしき男が三人カウンターで酒を飲んでいた。中の一人が私を知っているらしく妙に気を使う。しゃべったこともない男に「親方」なんて呼ばれて気色が悪いたらありゃしない。昔、調理師会の会合なんかで顔を見かけたことがあるのかも知れない。しかしこんな柄の悪いのに親方なんてよばれたくない。そのうちにこの巻き舌でしゃべる板前らしき男に清ちゃんのアスパラを生で食わしてみた。しばらくしておまえさんこのアスパラの味わかるかと聞いたら「きょとん」としている。「これアスパラでしょ」。「そうだアスパラだ」。
このアスパラの味がわかるかと聞いているんだがどうもわからないらしい。全く、こんな野郎が多い世界から足を洗って何年になるだろうか。つまらない世界に嫌気がさしてしまったというのが正直なところだ。業界の中に浸っていると自分の中に定型句をつくってしまう。刺身はこうあらねばならない、煮物はこうあるのが当然だ、そんなプロの作る料理に興味がわかなくなった。そんな世界はもう相手にされたくもしたくもない。
それから素朴で物本来の味を活かした、心の琴線に触れるような料理を作ってみたいと願ってきた。物には物の味がある、人には人の味がある。ああ、こんな味があったのか、こんな世界があったのかと感動を求めてこれからも漂流していきたい。
この前カウンターに座っていた、白髪の品のいいおばあちゃん。手招きをするので顔を近づけたら「親父さん、醤油も塩も、オイルもいい物をお使いですね~」ときた。隣で娘とおぼしき人がニコニコしてる。巻き舌のあのちんぴら板前より、こちらの方が本物だ。こんな人の料理食ってみたい。

| 01.親父の「ぼやき」 11月18日 16:42 | コメント 3 通 |

- あんたやれないの?

 最近は来ないが、毎晩遅く閉店間際にくる友人がいた。要は自分の会社が上手く行かない愚痴を聞いてもらいたいのだ。『社員の悪口』に始まり自分の事業の上手く行かないのを全部他のせいにして酒をあおって帰る。こんな酒飲みはしたくないなといつも思う。毎晩遅くまで付き合わされてついにこの男とけんかをした。
 毎晩のように愚痴を聞いているうちに本当にこの会社の悪いのは社長であるこの男だとわかっていた。ある時失礼なことを言うので、俺はいつも喉まで来ていた思いをぶつけた。「ばかやろう!本当に悪いのはお前だ」、「お前にそんなことを言われる筋合いじゃない」、「言われたくなかったらくるな!」こんなやり取りの後半年位来なかった。
 いろいろな提案やアドバイスをしたが実行しない、しかしあるとき判った。俺は今まで余計なお世話をしていたんだという事が。答えを用意することが親切だと勘違いしていた。そして彼はやらないのではなくてやれないのだということに気づいた。「やらないのではない」、「やれないのだ」。能力が無い自分と向き合いたくない自分がいる。最近仲直りしたが彼も反省したらしく、やれない自分ときちんと向き合えないと立ち直れないよ、とアドバイスしたが・・・。
  しかし、パソコンに向き合うとパソコンが俺に言う。「あんたはやらないの?」「それともやれないのどっちなの?」夜中に愛用のマックをぶちかましてやりたくなるときがある。

| 01.親父の「ぼやき」 09月06日 16:28 | コメント 3 通 |

- エスエル

 この前おれはエスエルを見に行ってきた。以前から東山温泉旅館の友人の社長はエスエルにはまっていた。
昨年の秋から磐越線や只見線にSLが走ることになった。今年は会津で全国SLサミットがある。
友人はいつも自慢の彼女の話をするかのごとく、陶酔したようにSLの話している。「どこがおもしろいんだ!」内心そんな気持で写真撮影に付き合う事にした。しかし現場に行って直ぐその魅力がわかった。あの待つ者の期待に応えるかのように哀愁を帯びた「ポー」という汽笛、煙を吐く機関車の躍動、挨拶するかのような警笛の音、俺が小さい頃、毎日当たり前のように見ていたSL、そのSLが想い出と共に迫ってくるではないか。なんだか胸が熱くなりおまけに涙が出てくるではないか・・いけない俺もはまりそうになってしまった。

| 01.親父の「ぼやき」 07月02日 10:28 | コメント 3 通 |

- 年を意識する時

 俺も、もう50歳になってしまった。最近何かと年の事を意識するようになってきた。特に老眼がどんどん進む。パソコンをいじり始めたら老眼が進んだような気がする。最近老眼の進行と共にこんな心境の変化が起きている。
(1)良い女を見ても、興味がわかなくなった(ほんと!)
(2)睡眠だけが楽しみになってきた(籠太での親父の居眠りは有名・・)
(3)酒飲みに行きたいと思わなくなってきた(情けない!)
(4)朝早く目が覚めて仕方がない
(5)やたらと涙もろくなってきた(朝の連ドラを見て泣いている)
(6)健康食品や怪しい薬にやたらと興味を示す
その他様々な変化が襲い始めている(何、俺もだって?・・)
ただ仕事に対してだけは逆に意欲的になってきた。それもムラムラと・・・何?嘘こけだって?是だけはホンと籠太の親父の作る料理今が食いどきだ!

| 03.親父の「お薦め」 06月03日 16:30 | コメント 2 通 |

- いいもの見っけ!

 世の中には、何も人間だけの出会いが出会いではない、酒や珍味、または料理素材など、世の中にはこんなもんがあったんだというのがある。俺は旅が好きだ。今度はどんな物に出会うのかと、ドキドキしながら旅をする。
昨年友人から頂いたオリーブオイルに驚いてしまった。自分の中のオリーブオイル感が吹っ飛んでしまった。このオイルで海の魚や貝類をカルパチョしたらさぞかし美味いだろうなと思った。特に今ごろ出回る北の海の鯛が良い。関東以南では時期はずれになるせいかこの時期信じられないような値段になってしまう。俺は田植えの頃で回るこの鯛を五月鯛と呼んでいる。
それほどおれはオリーブオイルに関して知識と経験が浅く、俺は今までだまされていたんだなーとつくづく思った。
連休前後にこのオイルでアスパラを軽くフランペしたアスパラを出していた。昨年まではアルミホイルにバターと塩胡椒という提供スタイル、でも今年はやーめたっと!こちらの方がはるかに美味い。

| 02.親父と「出会い」 04月14日 16:00 | コメント 3 通 |

- 出会い

 12年も居酒屋をしているといろいろな出会いがある。
居酒屋研究会の大田和彦氏も不思議な出会いだ。数年前のある日、いかにも居酒屋研究会と顔に書いてあるかのような男性が数人どやどやと店に入ってきた。どこかで見た顔だなと思った、このお客さんが入店してから妙な緊張感があった。なにかその筋の人が来た時も似たような緊張感があるが、それとは明らかに異なる。
そのうち、家の店に時々アルバイトに来ていた本名君が私にそっと、「あの人居酒屋研究会の大田さんだよ」とそっと言ってきた。もともとなんだか知らないがジャーナリストやマスコミ関係の人や芸術家らしき人が多い店だったがなにかマスコミの匂いがした。おれもあっ「そうそう見た事ある」と思った。いつかは来るだろうとは思っていたが、とうとうその時が来たなとおもった。後は小説新潮に掲載されたとおりである。
時々とんでもない人がお客としてきているが私は特別扱いはしない。サインも所望した事が無いし頂いて別に飾ろうとも思わない。ただ一個の人間として、居酒屋の親父と客として当たり前に接したいと思う。しかしお客様の中にはだまっていてロクに会話を交わさずとも、こちらが震えるほど寡黙な中に強烈なメッセージを感じさせる人もいる。しかし後には、心地よい至福感が残る。

| 02.親父と「出会い」 03月22日 15:26 | コメント 3 通 |

- 清ちゃんのアスパラ

 清ちゃんは、田んぼと畜産(種豚)を主体に有機栽培の農業をしている、籠太のお客様でも名だたる酒豪だ。こんなに飲んで大丈夫なのかというくらいしたたかに飲む。まもなく50歳になるのであろうがどこかに青年の匂いが漂う、その純粋な人柄に引かれお付き合いをさせていただいている。俺は飲んで酔いつぶれた清ちゃんを何度も自宅まで送っていった。
 その清ちゃんの作るアスパラが絶品なのだ。俺はそのアスパラが食いたくて清ちゃんの畑に何度も通う。雑草の中にたくましく芽を出すアスパラはとにかく美味い。アルミホイルに長いまま並べ、塩胡椒をしてお酒を振りバター一欠けを添えて蒸し焼きにする。美味い!感激するくらい美味い。
  こだわりでも何でもない、へたくそ料理人の俺のこんな料理を食べてくれるお客様に感謝しているがいつもどことなく後ろめたい気持ちがつきまとう。(自信がない・・) せめて塩や酒、酢や味醂は自分の手に及ばないところで作られるのだから。それぐらいは最高のものを使わないと申し訳ないと本気で思っている。
 野菜だって同じだとおもう、これからも自分が食いたいと思っているものを提供してゆきたい、だけれど俺は百姓は出来ない、だからがなるべく安全で美味しい物を探している。清ちゃんの作る米も美味い日本一だと思う。

| 01.親父の「ぼやき」 03月07日 16:26 | コメント 5 通 |

- 熱い志が欲しい

 全国の色んな地方のお酒を扱っていると地元のメーカーさんはどんなお酒が置いてあるか気になるらしく『どんなお酒が売れていますか』とよく聞かれる。いったいどのような意味なのだろうかと考えてしまう事もある。
 友人の造り酒屋に同じ様な事をことを聞かれたのでこう応えた。
「あんたとこもお酒におまけをつけたり、金粉入れたり、松茸を入れたりするのを止めろよ。そんなことしているとだめになるよ」と言った。
後で余計な事を言わねばよかったと後悔した。
 近頃はこんな質問をする酒屋はさすがに少なくはなった。どうしたら安い材料でごまかしていい酒に似たような酒を造ることしか頭にないらしい。
贋物はどこまで行っても贋物である。
 どんな酒が売れるかという質問より、俺は逆に聞きたいどのような気持ちでどんな酒を造りたいのかを、酒に対する熱い情熱が欲しい。そんな酒を造る地酒屋を応援したい。

| 01.親父の「ぼやき」 02月25日 18:26 | コメント 3 通 |

- 笑うに笑えない話

 居酒屋を始めて、自分の好きな酒を置き始めたら地元のメーカーからは当然のように嫌われた。別に地酒を売らなかったわけではない。いい酒はきちんと評価して売っていた。おそらく販売量からすれば地酒のほうが多かったように思う。
 しかし私の悪口だけが聞こえてきた。「なんで会津で新潟の酒を売るんだ」、店まで来て言っていた。酔った勢いで「お前の店なんか潰してやる」なんて言う地元メーカーの営業もいた。もっともその前にそのメーカーが潰れるのではないかと心配した。
 俺にとっては会津であろうが新潟であろうがそんな事はどうでも良かった。自分が納得する事が基準である。
 当時から東京郊外のデイスカウントストアでは会津の酒が信じられないような安い値段で売られていた。数年して風向きが変わってきた。地元の酒造組合から販売の現場の声が聞きたいと講演を依頼するようになってきた。いいたいこと話してきたつもりだ。
 本気でこう話した。「こんな事をしていると全滅する!」
 後は何を話したかはよく覚えていない。講演には数回招かれたがいつも反応が鈍く後にむなしさが残った。まったく笑うに笑えない話である。

| 01.親父の「ぼやき」 12月20日 16:25 | コメント 9 通 |

- 駄酒は飲むな

 カウンタ-に立ち、酒を飲んでいるお客さまを見ていて思う。人間は飲んでいる酒に何だか似てくるなと・・・・似ているから惹かれるのか飲んでるから似てくるのかは定かでないが、いい酒を飲む人は人間もいい。十年近く内側から見ていてつくづく思う。
 だから友人やうちの若い者にはよく言ったものである。駄酒は飲むな。飲むならワインでもスコッチでもいいものを飲め、高い酒が決していいものとは限らない、しかし自分が飲んでいる酒に似てくるぞ!と半分脅し口調でいったものである。
 今日も酒を飲んでいるお客さまを見ていて思う。

| 01.親父の「ぼやき」 11月19日 19:00 | コメント 3 通 |

- 頭で酒を飲む話

 恥ずかしい話だが、利き酒をして銘柄を当てることを友人と数回行っていつも私は最下位のほうになってしまう。「籠太の親父らしくない」という冷ややかな視線を感じてしまう。酔った意気まで罵倒するが如く露骨に言うやつまで現れる。生意気な女が娘の如くの口調で、「信じらんない~!」なんてことを言いながら、俺のほうを侮辱の眼差しで見ていることもあった。
 利き酒は俺には恐怖だ、正直言おう俺は酒の味はよくわからない、どうもあの舌先でずるずるやるあの利き酒は苦手だ。
 まだ美味しい日本酒との出会い、その魅力にのめり込みかけている頃、はっと考えた。俺は酒を舌で味わってないんじゃないだろうかと・・・どうも前頭葉のあたりで飲んでいるような気がしてならない。そんな事を利き酒の席で言うと益々馬鹿にされてしまった。しかし馬鹿にされようがなんだろうが、俺には確信があった。
 頭で飲んだほうが解る事だってある、最近は飲んでいるうちに蔵の事情がほとんどその蔵に行かなくても見えてくるような気がしている。後でその蔵に行ってみると予想はほとんど当たっている。

 
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